フツメンMBAナゥ そして伝説へ?!

日々のトレーニングを残していきます。高速構造化思考の修得へ

#055 ケーススタディの狙い

ケースの行間・背景から、なぜそう判断したか判断せざるを得なかったのかを深掘りして、経営の疑似体験をする。

 

取締役会で発言する意識を持って私ごとでとらえ、自身の中でなぜ3回など高速に考察を深めることが目的です。

 

 

前提として、ケースは不完全なものです。その中で考察を深めることが肝要です。

 

 

例えば、直接的な原因は合っていても、なせ過剰在庫が生じたのか?なぜ変な立地に店舗を配置したままだったのか?なぜ他のファンドが入ってこないのにはこのファンドは投資判断ができたのか?などなど

 

などのケースに直接書いていない文面からの推察に意味があります。

 

 

行間や背景を読み取ってきっとこうだったのだろう、だからこう考えるなどを深く深く考える。

 

それぞれの場面で登場人物がなぜそう判断したのか、あるいは判断せざるを得なかったのかを自分たちなりに深堀りして(なぜ?を3回繰り返すとか)考えてまさに経営の疑似体験を行います。

 

 

将来施策のプランニングも正しい現状認識から始まりますので、施策の議論も土台が固める何でその施策なのか?と議論を深めます。

 

 

実際リアルな取締役会などで説得する場合深堀り感のない議論は感じ取られるので一蹴されてタイミングを逸する(つまりワンチャンスにすべてを賭ける)こともありますので、そこの緊張感を体験する気持ちを持てば、推察度は高まる。

 

#054 MAの減損16兆円 2018年度

M&A(合併・買収)に絡む損失が急拡大しています。

 

 

2018年度は世界で約1550億ドル(16兆円強)と前年度比で66%増加しました。

 

 

グローバルリセッションが起きた、08年の金融危機後で最大です。

 

 

世界的なカネ余りでM&A価格が高騰していたところに、米中貿易摩擦などを受けた景気減速が重なり、買収した企業の業績が想定より低迷しやすくなっているためだと考えられます。

#053 意思決定の質を高めるには

具体と抽象の行き来ができるようになる。

 

 

その本質は因果関係を見抜くこと。

 

見抜くアプローチは、①見せかけの相関②第三の変数バイアス③逆の因果関係をチェックする。

 

 

ランダムサンプリングを基に、2つのトリートメント群とコントロール群に分け他の条件を同じにした上で、分析変数だけを変更し実験する

 

 

その結果により一般化でき、汎用性が高まる。

 

 

一般化・抽象化できることで、質の高い意思決定が可能となる。

#049 プロマネの要諦

プロジェクト・マネージャーの仕事の要諦は「コスト管理」です。

プロジェクトを立ち上げたときの当初の予算は非常に限られています。それも当然で、しばらくはそのプロジェクトで売り上げが立たず、キャッシュが入ってきません。

 

 

孫社長は会社が大きくなっても、この固定費が膨らんでいくことを極端に嫌いました。固定費は知らず知らずに積み増されていくのが普通ですが、一時的に売り上げが低迷した際には一気に利益を圧迫し、ストックを蝕んでいく。コストは会社をつぶしかねない最大のリスクにもなるのです。

 

 

また、固定費が膨らんでいくとせっかくの手元資金の使い道も制限されてしまいます。逆に固定費が少なければ、新規事業の開発に潤沢な資金を注ぐことができる。固定費を抑えるという一見地味なことが、ソフトバンク躍進の大きな原動力となったことは間違いありません。

 

 

コストを圧縮の作法には、そもそも4つのポイントがあります。

1.必ずコンペをして決めること
2.発注先の競争環境を壊さない「631理論」
3.自分たちで管理・評価の仕組みを作ること
4.外注先の情報収集を継続して怠らないこと

 

コスト意識こそが、実はソフトバンクが大胆な戦略を打ち出す際の「土台」になっています。

 

Yahoo!BBを一気に拡大する際、ソフトバンクはモデムを100万台単位で発注してそれを街中で、無料で配りまくりました。この時、まずは100台、それが売れたら次に1000台というようにやっていたら、ソフトバンクのいまはなかったでしょう。孫さんの考えはこうでした。

「一気に100万台買えば、一台3万円のモデムが数千円になる。大量発注して、無料で配っちゃう。これが最もコストがかからず、ユーザーを一気に増やせる合理的な選択なのだ」

 

◆規模の経済とコストソリューション部隊

プロジェクトは大胆にやれば、コストが下がるという好例でしょう 。ちなみに調達専門会社は現在、経費管理のコンサルやソリューションの会社になっています。コスト管理のノウハウがそのままビジネスになったわけです。

 

 

◆依頼後のケア

外注先の仕事は数か月もすれば緩慢になっていくものです。最初はエース級の優秀な人材を送り込んで、全力で事業に打ち込んでくれますが、やがて優秀な人材は他社の別のプロジェクトに異動してしまう。こんなことはざらにあります。

 

 

◆631理論

1年もすれば優秀なスーパーバイザーは姿を消して、発注した企業が送り込んでくるオペレーターの数も定員に満たないという状況が散見されるようになりました。

そこで私は孫社長のコンペの手法をアレンジして「631理論」を編み出しました。

 

 

◆情報獲得

コールセンターの事業を3社と契約して、3000人の席のシェアを奪い合う仕組みを作ったのです。大手の1社には6割を、中堅の社には3割、残りの1割には異業種から参入してきた新興の企業に発注しました。この3社と契約したうえで、個別の成績によってコールセンター内のシェアが変動するようにしたわけです。これで発注した会社は常にこのシェアを奪われないように、一定の能力を発揮してくれるようになりました。

さらに効率よく事業を続けていくためには、発注企業が報告してくる数字に頼っていてはいけません。顧客満足度を上げるためにはオペレーターの対応の成否にかかっていますが、「効果(結果)検証」を発注先の企業に任せると彼らに都合のいい数字が上がってくるのが関の山。自分たちで管理・評価するために効果を数値化し成績の指標を作って、計測していく必要があるのです。

それだけではありません。外注先の企業がどのような能力を持っているのか、自分たちで把握しておくことも重要です。

情報というものは常に会社の外と中では大きな格差が生じているものです。たとえば外注先のA社が利幅を押さえて劇的に安いサービスを他社に提供したとしましょう。これをA社がソフトバンクにも適用してくれるものと考えてはいけません。それは多くの場合、秘密裏に行われ、決して発注企業からの提案はないのです。当然でしょう。彼らの利益が減ってしまうからです。

A社の動向を常に情報収集しておくだけでなく、独自に最良のやり方、またツールやテクノロジーがないか、探し続けることも必要です。そのうえでA社からのヒアリングのときに、もっと合理的な仕組みをこちらから提案するのです。

 

 

631理論」が有効に機能してくれます。その技術の実験や検証は、コールセンターを一挙に入れ替えてはリスクが大きすぎますが、コールセンターの1割なら試すことができる。うまくいきそうだとなれば、段階的に1割から3割と増やしていき、最後に全面導入すればスムーズに新システムに移行できるというわけです。

ソフトバンクでは外注はするけど、決して丸投げしない。常にコストの圧縮と事業の合理化を図り続けていました。

 

 

◆推奨するプロマネ仕事術

常に主体性をもち、独自に情報収集し、合理的な仕組みを自ら構築できる素養を身に着けようというものです。

孫社長は起業したときからこうしたコスト意識をもって挑戦を続けてきた経営者と言えるでしょう。