#008【ファイナンス】ケーススタディ 最大手企業から新規の5,000万ドルの設備投資を行うべきか否か?
・主人公になりきって考える
・ケースを記憶に残し
後からたどれるようにしよう
<ケース>
・契約条件:5,000万$の設備投資依頼。契約期間は3年のみ。30日以内に決定要。
・Loocked-in〇 受けた場合の市場への影響は? シナジー効果のCFへの影響
・Locked-in × 断った時の影響? 最大手との取引関係・CF
(1)市場
・パーソナルケア分野
-216.6億$。
・ドル売上高の伸び
-価格上昇によるもので
過去4年間で年平均1.7%増
・販売数
過去4年間で、1%弱増
・パーソナルケア分野
PB製品の小売売上高
-40億$
・うち製造業者からの卸売売上高
-24億$
・うち当社のシェア
-28%
・全体
-パーソナルケア市場は、2.3%成長。
-PB市場は、3.6%成長
(2)自社
①概要
・米国の大手小売業に
高品質のパーソナルケアPB製品を
提供し、大手プロバイダーを目指す
パーソナルケア商品のOEM業者。
・成長性
-7.8%
・収益性
-値下げして、シェア重視
(Net Income Margin 5.7%)
・安全性
-堅実経営
・工場稼働
-現状設備稼働率90%。
4台、シェア28%
②商品
・単価が上がっている
(売上額↑、売上数量→)
・石鹸・シャンプー・洗口剤
シェービングクリーム・日焼け止め
・PB商品として
スーパー・ドラッグストア・
チェーン店等
③PL
・Revenue
-2007年681万$。
2004年から毎年8%程度増加。
・Net Income
-売上原価の影響を受ける年もある
が、5%超の緩やかな拡大基調
・利益率
-5.7%程度で成長
(値下げでシェア重視)
④BS
・負債
長期借入14%・資本70%
低レバレッジの堅実経営。
・資産
約53%はPPE。
工場は4つ。稼働率90%以上。
(3)競合
・自社ブランド+自社PB製品製造メーカー
・自社ブランド製品製造施策を所有する、大手小売業者
・ブランドのみ。製品製造しない会社
(*)別確度・・戦略投資の目線
・5,000万$の使途
設備投資なのか?
製造業を買収か?
・市場拡大を見込めない中で
価格競争でのシェア奪い合いに?
・3年契約
通例的にありえないのでは?
・30日以内に結論を出す
サプライチェーンの意思決定も
考慮しないといけない
短期間すぎないか?
<検討>
★感応度分析
・ポイント
トップライン要注意!
運転資本にも要注目
・その他
値上・販売数量・稼働率・
原材料費・人件費・間接費・
棚卸資産(運転資本が変化)
・3年経過後
・WACC
どのくらいRが上がると
NPVがマイナスになる?
★WACCの課題
・時制の不一致
将来にわたって同じ資本構成で
割り引くことは妥当ではないのでは
・「β」「MRP」
過去のデータで算出される
・「β」
想定外のリスクは含まれていると
考えづらい(リコール・ハリケーン等々)
→APV
(参考)
・DCF法で企業価値を割出す手法
①WACC算出
②FCFを予測
③継続価値を算出(C/R)
④FCFと継続価値をWACCで現在価値に割引き、事業価値を求める
⑤非事業価値(現預金・有価証券・遊休土地等)を時価評価し求める
⑥上記④で求めた事業価値に⑤非事業価値を加えて企業価値を計算する
⑧発行済み株式総数で割ることによって理論株価を計算する