#021 イノベーションのジレンマ
①持続的イノベーション
・企業が顧客のニーズに合わせて技術を進歩させる。
・しかし持続的イノベーションを続けていると、ある時点で多くの顧客の求める性能を超えてきます。
・一方で従来の製品の価値を破壊するかもしれない、まったく新しい価値を持つ破壊的イノベーションが生まれてくることがあります。
・破壊的イノベーションは、安価な製品、あるいは一部の限定的な用途でしか使えないような新しい製品として、社会に出てきます。
・これを技術改善によって顧客の求める性能をカバーして、その結果破壊的イノベーションによって作られた製品が持続的イノベーションによって作られた製品のシェアを奪っていきます。
②構造的に避けられない問題
・大企業は大口の顧客のニーズに合わせて自社の技術の性能を改善していきます。
・そして一部の用途にしか使えない製品は小さな市場規模にしかならず、組織を維持する上ではそこを狙うメリットはありません。
・ましてや安価な製品を出そうものなら、主流の高額な製品の売り上げを食ってしまい、デメリットにすらなります。
・なので大企業は論理的な思考の帰結として、新しい市場を無視せざるをえません。
・また新しい市場は不確実性が高く、本当に大きな市場規模になるのかどうかわからないので、組織としてそこを狙うという判断になりにくい、という点もあります。
・つまり、大きな組織の能力のメリットそのものが破壊的イノベーションの前では無能力の原因となる、ということです。だから大企業にはジレンマが発生します