#045 小型機事業 買収
「三菱スペースジェット」
①買収金額は、約800億円
ボンバルディアから、小型ジェット旅客機事業を約590億円で小型機「CRJ事業」を取得し、約210億円の債務も引き受けることななります
②狙いは、一貫体制の構築準備
顧客基盤やアフターサービス部門などを獲得し、完成機事業の長期的な事業基盤を構築することです。具体的には、米国とカナダの4カ所のサービス拠点や営業人材、CRJシリーズの保守やカスタマーサポート体制です
航空機は一度納入すると20年以上の運航が続き、完成機メーカーには機体メンテナンスなどアフターサービス体制の整備が不可欠です
完成機の製造・販売の実務を担い、ボンバルディアの拠点や人材、サービスノウハウを活用して、サービス網の整備を加速していきたいのでしょう
③70席級にも着手
米国規制に対応した70席級の新機種「スペースジェットM100」の開発にも着手しています。
CRJは100席以下の航空機市場で、3〜4割のシェアを握る。既存顧客との接点を持つことで、M100の提案力を高めるなど事業基盤の底上げにつなげたいようです
④製造部門は買収対象外
赤字の製造部門は、ボンバルディアに残ることで決着した。CRJの受注残は三菱重工の委託によってボンバルディアが製造するほか、部品供給も継続する。機体製造を受注残機体の納入後、20年後半に終了します
⑤寡占市場における競合
100席未満のリージョナル機市場では今後、米ボーイングの傘下となったブラジル・エンブラエルと、三菱重工グループの一騎打ちの様相が鮮明になります
⑥投資額は、6000億円以上
民間旅客機への参入表明から累計6000億円以上つぎ込んだとされる同事業。5回の納入延期等をいかに取り戻していけるかです。